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【AWS】コンソール操作でEC2とRDSを準備する

7 min

AWSでEC2とRDSでwordpressをセットアップしてみました。本記事ではEC2とRDSの初期の立ち上げまでを紹介していきます。

この記事はこんな人にオススメ

  • AWSを初めて使う方
  • AWSの無料利用枠の限度や上限がいまいちわからない方
  • EC2をとりあえず立ち上げてみたい方!
  • RDSをとりあえず立ち上げてみたい方!

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本シリーズの記事はAWSのEC2とRDSを使ってwordpressをセットアップし、バックアップにはS3を活用します。自由度や柔軟性は圧倒的にAWSが高い反面、セキュリティの対策や日々のメンテナンスも必要になってきます。つまりネットーワークやセキュリティ、AWSの勉強にはもってこい!ってことです。

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このシリーズでわかること

  • AWS無料利用枠について
  • EC2インスタンスの作成方法とポイント
  • Elastic IPアドレス利用の方法
  • RDSデータベースの立て方

ネットワーク、セキュリティや各種チューニング、AWSの各サービスの詳細は奥が深すぎるので今回は触れませんが、「AWSではじめるインフラ構築入門 安全で堅牢な本番環境のつくり方」はオススメの書籍です。

全体像

  1. STEP

    【AWS】コンソール操作でEC2とRDSを準備する

  2. STEP

    【AWS】EC2にSSHで安全にアクセスする

  3. STEP

    【AWS】Apacheで最低限やっておくべきSSL/TLSの設定

  4. STEP

    【AWS】EC2とRDSでwordpressをセットアップする

  5. STEP

    【AWS】S3にwordpressをバックアップする

事前準備

イメージ画像

AWSのアカウント登録が完了していることAWS無料利用枠について確認していることリージョンは東京(ap-northeast-1)にしていること。の3点が事前の準備としての条件です。

AWSはリージョンによって料金も異なれば、利用できるサービスも異なる場合があります。障害の頻度も異なります。利用する側との物理的距離が近い方がメリットありますので今回は東京(ap-northeast-1)リージョンにしておきます。

米国の3つのリージョン (バージニア北部・オハイオ・オレゴン) は東京リージョンに比べると割安です。コスト重視の場合は北米を選択するのもありですね。

AWSのアカウント登録

下記の「AWSアカウント作成の流れ【AWS公式】」がわかりやすいですね。アカウント作成は特に問題なく登録できるはずです。

MacのSafariを利用しましたが、1passwordをインストールし有効な状態だと、STEP4の本人確認で、セキュリティチェック文字列を入力しても先に進めず、1passowrdをオフにしたら進めました。同じ環境の方は参考にしてください。

  1. STEP

    AWS アカウントの作成

    AWSアカウントの情報を設定していきます。

  2. STEP

    連絡先情報の入力

    連絡先情報として名前、住所、電話番号などの個人情報を入力します。

  3. STEP

    請求情報の入力

    無料利用枠を超えた後は課金されます。その際のクレジットカード等の登録が必要になります。当然ですが無料利用枠を超えない範囲で普通に利用することもできます。無料利用枠はしっかり理解しておく必要がありますね。

  4. STEP

    SMS または音声電話による本人確認

    SMSまたは電話(自動音声)での本人確認です。セキュリティチェック文字列を入力します。私の環境(Mac、Safari)では1passwordを終了しないと次に進めませんでした。これは結構ハマりました。

  5. STEP

    AWS サポートプランの選択

    AWS のサポートプランを選択しますが、試験的な利用なので無料の「ベーシックサポート」で十分です。ビジネスでしっかり使う場合は有料サポートを検討するのも良いと思います。

  6. STEP

    サインアップ (AWS アカウントの作成) の完了

    「AWS マネジメントコンソールにお進みください」をクリックしてAWSを利用開始できます。

AWS無料利用枠の確認

AWSには無料利用枠がありますが、敢えてなのか?!わかりにくくなっています。まずこの無料利用枠の種類は下記の3つの種類があります。

種類説明開始条件
無料トライアル短期の無料トライアルは、
特定のサービスをアクティベートした日から開始されます
対象サービスの
初回利用時
12 か月間無料AWS に最初にサインアップした日から 12 か月間、
これらのサービスをご利用いただけます
AWSアカウント
作成後
常に無料これらの無料利用枠に有効期限はなく、
AWS のすべてのお客様が利用可能です
対象サービスを
利用
表:AWS無料利用枠の種類

無料トライアル

トライアル期間中は無料で全ての機能が利用できますが、当然トライアル期間満了後は料金が課金されます。「無料トライアル」は例えば下記のようなサービスです。

Amazon SageMaker:2ヶ月
Amazon Redhift:2ヶ月
Amazon AppStream 2.0:40時間
Amazon Lightsail:750時間
など

12ヶ月間無料

AWSアカウントを新規に作成してから、12ヶ月の間の有効な無料利用枠です。ただしリソース制限がありこの無料利用枠の制限を超えた場合は通常の料金が発生します。

今回のEC2やRDSはこの12ヶ月間無料に該当します。無料利用枠の制限として750時間/月まででそれを超える場合は通用の料金が課金されますので注意が必要です。また無料利用枠のインスタンスのタイプも制限されています。

仮に1ヶ月間稼働し続けた場合、1日24時間×31日で744時間となり750時間/月の制限以内になりますが、注意点として750時間/月の制限はインスタンスの合計になるので、1インスタンスであれば問題ないですが、2インスタンス稼働させた場合でも合計750時間/月以内が無料利用枠です。仮に2インスタンス同時に稼働刺せた場合は、24時間×2インスタンス×15日で720時間となり、16日では768時間となり無料利用枠を超えますので注意してください

また、AWSアカウントを新規に作成してから、12ヶ月間が無料利用枠の対象です。アカウントを作成した後に、使っても使わなくても12ヶ月間が無料利用枠なので注意してください。

「12ヶ月間無料」は例えば下記のようなサービスです。

Amazon EC2:750時間
Amazon RDS:750時間
Amazon S3:5GB
Amazon API Gateway:100万コール

常に無料(無期限無料)

実施無期限で無料のサービスです。 通知や監視などAWSの基本機能や新サービスの利用促進のために一定の制限の中で無期限で無料提供しているものがあります。

「常に無料」は例えば下記のサービスです。

AWS Lambda:100万リクエスト
Amazon CloudWatch:10メトリックスおよびアラーム
Amazon DynamoDB:25GB

利用の前に、下記のAWS公式の無料利用枠のサイトを確認してください。

リージョンについて

イメージ画像

Amazon Elastic Compute Cloud:Linux インスタンス用ユーザーガイド

リージョンとは物理的なロケーションの単位で、2022年3月現在で26のリージョンがあるようです。

コード名前
us-east-2オハイオアメリカ
us-east-1バージニア北部アメリカ
us-west-1北カリフォルニアアメリカ
us-west-2オレゴンアメリカ
af-south-1ケープタウン南アフリカ
ap-east-1香港中国
ap-southeast-3ジャカルタインドネシア
ap-south-1ムンバイインド
ap-northeast-3大阪日本
ap-northeast-2ソウル韓国
ap-southeast-1シンガポールシンガポール
ap-southeast-2シドニーオーストラリア
ap-northeast-1東京日本
ca-central-1カナダカナダ
eu-central-1フランクフルトドイツ
eu-west-1アイルランドアイルランド
eu-west-2ロンドンイギリス
eu-south-1ミラノイタリア
eu-west-3パリフランス
eu-north-1ストックホルムスウェーデン
me-south-1バーレーンバーレーン
me-central-1アラブ首長国連邦アラブ首長国連邦
sa-east-1サンパウロブラジル
表:AWSの世界26箇所のリージョン

今回の構成

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事前説明が長くなりましたが、それではEC2とRDSを使ったwordpressのセットアップをやっていきましょう。最初に今回の構成です。

EC2、RDSそれぞれ1インスタンスのシンプルな構成で今回は試してみます。実際の運用時は冗長化した仕組みが必要になりますが今回はとりあえずEC2+RDS+wordpressを立ち上げることを目的にやります。

今回のEC2とRDSの構成(シンプルです)
今回のEC2とRDSの構成(シンプルです)

EC2インスタンスの作成

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下記にEC2のインスタンス作成の流れを記載します。ポイントは無料利用枠のt2.microを選択すること、SSHを使ってログインするためにキーペアを新たに作成すること(既存のキーペアがない想定)、SSHの接続元を自分の家などのIPアドレスに限定する、の3点がポイントです。

EC2インスタンス作成フロー

EC2インスタンス作成フロー
  1. EC2ダッシュボードへアクセス
  2. インスタンスを起動(オレンジ色)をクリック
  3. 名前はこのインスタンスに付ける名前なのでご自身で決めましょう
  4. AMI(Amazonマシンイメージ)は「Amazon Linux」に
  5. インスタンスタイプは無料利用枠のt2.microを選択
  6. キーペアはSSH接続に必要なので必ず新しいキーペア作成する(後からでも出来ます)
  7. セキュリティグループは「セキュリティグループを作成する」とし、
  8. SSHのトラフィックを許可するをチェックし、
    1. 自分のIPアドレスを指定します
  9. 右下のインスタンスを起動(オレンジ色)をクリックし、インスタンスを作成します
  10. インスタンスの画面へ行きます。(更新アイコンを押さないと出てこないかもです)

Elastic IPアドレスを割り当てる

Elastic IPアドレスとは、AWSの静的な固定IPアドレス(IPv4)のことです。EC2インスタンスを作成後、動的な(変動する)IPアドレスが付きますが、インスタンスを再起動するとこのIPアドレスが変わってしまいます。検証用などはそれで良い場合もありますが、今回は勉強も兼ねてElastic IPアドレス(静的なIPアドレス)を割り当てます。

料金ですが、インスタンスを実行しているときは、インスタンスに関連付けられた1つの Elastic IP アドレスに対して料金は発生しません。料金が発生するパターンは、インスタンスを停止したり、Elastic IPアドレスをインスタンスに関連づけてない場合や、インスタンスに2つ以上のElastic IP アドレスを関連づけた場合に課金されます。詳細はAWSのElastic IP アドレスのページを確認してください。→Elastic IP アドレス

Elastic IPアドレス割り当てフロー

Elastic IPアドレス割り当てフロー
  1. 左ナビゲーションからElastic IPを選択
  2. 右上の「Elastic IP アドレスを割り当て」(オレンジ色)をクリック
  3. 最下部の新規タグを追加をクリック
  4. キーに「Name」、値にEC2のインスタンス名を入力(値はわかりやすければ何でもOK)
  5. 右下の「割り当て」(オレンジ色)をクリックして割り当てる

Elastic IPアドレスの関連付けフロー

上記でAWSアカウントにElastic IPが割り当てられました。割り当てたIPを使うにはインスタンスに関連付ける必要があります。

Elastic IPアドレス関連付けフロー
  1. 左ナビゲーションからElastic IPを選択
  2. 割り当てられているElascitc IPのチェックボックスにチェックする
  3. 右上の「アクション」から「Elastic IPアドレスの関連付け」を選択
  4. Elastic IPアドレスの関連付け画面で
    1. リソースタイプ:インスタンス
    2. インスタンス:IPアドレスを関連付けるインスタンスを選択
    3. プライベートIPアドレス:プライベートIPアドレスが候補として出るので選択
    4. 右下の「関連付ける」(オレンジ色)をクリック

以上で、EC2のインスタンスを作成し、ElasticIPアドレスを関連付けることができました。

RDSデータベースの作成

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下記にRDSのデータベース作成の流れを記載します。ポイントは無料利用枠のt2.microを選択すること、SSHを使ってログインするためにキーペアを新たに作成すること(既存のキーペアがない想定)、SSHの接続元を自分の家などのIPアドレスに限定する、の3点がポイントです。

RDSデータベース作成フロー

RDSデータベース作成フロー
  1. RDSのダッシュボードへアクセス
  2. 左メニューのデータベースをクリック
  3. 右上の「データベース作成」(オレンジ色)をクリック
  4. 「データベース作成」画面で
    1. データベースの作成方法:標準作成
    2. エンジンのオプション:MySQL
    3. バージョン:MySQL 8.0.30
  5. テンプレート:無料利用枠を選択
  6. 設定
    1. DB インスタンス識別子:wordpress(識別できれば何でもOK)
    2. マスターユーザー名:推測されにくいユーザー名にしましょう
    3. マスターパスワード:推測されにくい複雑なパスワードにしましょう
  7. インスタンスの設定:db.t3.micro(無料利用枠で利用できます)
  8. ストレージ:デフォルトのままでOK
  9. 接続
    1. EC2 コンピューティングリソースに接続
    2. EC2 インスタンス:EC2インスタンスを選択します
    3. ネットワークタイプ:IPv4
    4. Virtual Private Cloud (VPC):そのまま
    5. DB サブネットグループ:そのまま
    6. パブリックアクセス:なし
    7. VPC セキュリティグループ:既存の選択
    8. アベイラビリティーゾーン:指定なし
  10. データベース認証:パスワード認証
  11. 最下部の「データベースの作成」(オレンジ色)をクリック

これでRDSデータベースが作成されました。EC2のインスタンスからで3306ポートのみインバウンドを許可するセキュリティポリシー(その逆も)が自動的に作成もされていると思います。

次回は、EC2インスタンスにログインしてサーバの構築とRDSでSQLでデータベースを作成し、wordpressを立ち上げていきます。

MFA(多要素認証)を有効にする

AWSで必ずやっておきたい多要素認証の設定方法を紹介します。

AWSではセキュリティ強化のために必ずMFA(多要素認証)を設定しましょう。AWSアカウントのルートユーザーとIAMユーザーでMFAを設定することができます。設定も簡単です。

ざっくりMFAとは?

MFAとは、一般的なログイン認証情報であるユーザー名とパスワードに加えて、もう1つ(1つ以上)の認証要素を加え、ユーザに対してこの2つ以上の認証要素を要求し認証する方法です。

今回は追加の認証要素としてワンタイムパスワード(OTP)を追加します。ワンタイムパスワードは6桁の数字となり、受信方法はSMSやメールといったケースも多いですが、私は1Password8で保存してワンタイムパスワードを管理しています。

2FAとの違いは?

ちなみに、2FAという単語もよく見かけますが2FAとは「2要素認証」です。2FAは2つの要素で認証する方法ですが、MFAは2つ以上の要素を設定し認証する方式です。

それではAWSのMFAを有効にしましょう。

AWSでワンタイムパスワードを追加する手順

以下のAWS公式ドキュメントを参考にMFAを有効にします。

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/IAM/latest/UserGuide/id_credentials_mfa_checking-status.html

  1. STEP

    IAM コンソールにアクセス

    AWS Management Console にサインインし、IAM コンソールにアクセスします。

    IAMコンソール:https://console.aws.amazon.com/iam/

  2. STEP

    セキュリティ認証情報をクリック

    右上のナビゲーションバーでユーザー名を選択し、セキュリティ認証情報をクリックします。

  3. STEP

    MFAが有効か無効かを確認

    MFAが有効でない場合は下の画像のようにアラートが出ています。

  4. STEP

    MFAを割り当てる

    では実際にMFAを割り当て設定します。

  5. STEP

    MFAデバイスを選択

    今回は1Password8でワンタイムパスワードを管理するので「Authenticator app」を選択します。デバイス名にはわかりやすい名前をつけます。(なんでも構いません)

  6. STEP

    デバイスの設定

    QRコードを表示して、1Password8でスキャンします。

    1Password8では、ワンタイムパスワードの項目を追加して下の画像のようにスキャンします。

  7. STEP

    MFAコードを2つ入力しMFAを追加する

    1Password8の追加したワンタイムパスワードの項目に表示された6桁のコードを入力し、最大30秒後に新しいコードが生成されるのでそれを入力します。

    これでMFAを追加することができました。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。【AWS】EC2とRDSでwordpressをセットアップする【コンソール操作で準備する編】はいかがでしたでしょうか。無料利用枠の内容を理解しセットアップしていくことが大事だと思います。次回は、EC2にSSHで安全にアクセスするまでを紹介します。

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