今回は2022年10月21日にリリースされた、Ubuntu22.10(Kinetic Kudu)のキーボードをMac同様に英数、かなキーを使って日本語入力すると題して、Macユーザーが普通にキーボードを使えるまでの設定を紹介します。
Ubuntu24.04LTSで英数、かなキーを使って日本語入力する記事はこちらをご覧ください。
GNOME、Wayland環境で、Mac同様に英数・かなを使って日本語入力するまでを紹介しています。

この記事(シリーズ)はこんな人にオススメ
- Ubuntu22.10の日本語入力をMac同様に英数・かなを使いたい!
この記事(シリーズ)でわかること
- xevを使って認識名やキーコードを確認する
- その認識名を使ってMozcの設定を行う
- Ubuntu22.10の日本語入力をMac同様に英数・かなが使えるようになる

また、この記事ではMacBook Air (13-inch, Mid 2012)に直接Ubuntu22.10をインストールした環境と、M1Max Macbook Pro 14インチ上のParallels Desktop 18 for Macの両方にUbuntu22.10をインストールして、英数、かなキーを使って日本語入力できるようにしていきます。
M1Max Macbook Pro 14インチ上のParallels 18 for Mac
Ubuntu 22.10 (Kinetic Kudu)
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MacBook Air (13-inch, Mid 2012)
Ubuntu 22.10 (Kinetic Kudu)
Parallels Desktop 20 for Macの無料トライアル
目次
まずはXorgを選択する
Ubuntu22.10でもデフォルトのX Window SystemがWaylandとなっています。ログイン画面の右下からXorgに変更することができます。WaylandはXorgの後継となるX Window Systemですが、本記事で記載するMozcでMac同様に日本語キーボードに設定することができないなどの不具合があるのでXorgを選択します。

Parallels 18 for MacにインストールしたUbuntu22.10でも同様にXorgを選択します。
Parallels 18 for Macの無料トライアル
現在のX Window Systemを確認する
以下のコマンドで現在のX Window Systemが確認できます。(XorgかWaylandのどちらで動いているか確認できます)
echo $XDG_SESSION_TYPE
x11
# Xorgで動いている
echo $XDG_SESSION_TYPE
wayland
# Waylandで動いている
ターミナルからキーボードレイアウトを設定する
dpkg-reconfigureを使ってインストール済のパッケージを再設定できます。コマンドを実行したターミナルに設定画面が表示されます。引数にkeyboard-configurationを指定してキーボードレイアウトを調整し再設定します。
sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration
【1】キーボードのモデルを選択:Apple Aluminium(JIS)を選択する
Apple Aluminium(JIS)を選択し、TABを押して<了解>でEnterを押します。

【2】キーボードが由来する国:Japaneseを選択する
Japaneseを選択し、TABを押して<了解>でEnterを押します。

【3】キーボードのレイアウト:Japanese(Macintosh)を選択する
Japanese(Macintosh)を選択し、TABを押して<了解>でEnterを押します。

【4】ナショナル/ラテンモードの切り替え:切り替えなし
切り替えなしを選択し、TABを押して<了解>でEnterを押します。

【5】ナショナル/ラテン入力の一時切り替え:一時切り替えなし
一時切り替えなしを選択し、TABを押して<了解>でEnterを押します。

【6】AltGrとして機能させるキー:キーボード配置のデフォルト
キーボード配置のデフォルトを選択し、TABを押して<了解>でEnterを押します。

【7】コンポーズキー:コンポーズキーなし
コンポーズキーなしを選択し、TABを押して<了解>でEnterを押します。

【8】Xサーバを強制するのにControl+Alt+Backspaceを使うか?:いいえ
いいえを選択し、TABを押して<了解>でEnterを押します。

sudo shutdown -r now
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【ココがポイント】xevで「英数」と「かな」のキーを確認する
xevでキーコードを確認します。
xevとは?
xevを起動すると「Event Tester」というウィンドウが表示されます。その「Event Tester」ウィンドウに渡されるイベントがターミナルに表示されます。キーボード入力、マウスの移動、クリック、マウスポインタのフォーカスイン・アウトなど様々な情報を取得することができます。
xevで認識名とキーコードを確認する
xevを起動すると下記のように「Event Tester」というウィンドウが表示されます。
xev
英数とかなを入力して、認識されているか認識名とキーコードを確認します。

MacBook Air (13-inch, Mid 2012) での xevでの認識
MacBook Air(13-inch, Mid 2012)にインストールしたUbuntu22.10では下記のように認識しています。
入力したーキー | xevでの認識 |
---|---|
英数 | 131 Hangul_Hanja |
かな | 130 Hangul |
Parallels 18 for Macでのxevでの認識
M1Max Macbook Pro 14インチ上のParallels 18 for MacにインストールしたUbuntu22.10では下記のように認識しています。
入力したーキー | xevでの認識 |
---|---|
英数 | 102 Muhenkan |
かな | 101 Hiragana_Katakana |


MacBook Air (13-inch, Mid 2012) でキーマップの変更
xmodmapコマンドでMacBook Airの英数をEisu_toggle、かなをHiraganaに割り当てます。
今回はホームディレクトリに.Xmodmapというファイルを作成しこのファイルに割り当ての記述を行います。またX Window Systemが起動する時にxmodmapで.Xmodmapを読み込むようにします。
現在のキーマップを確認する
現在のキーマップをxmodmapコマンドで確認しておきます。
STEP1:xmodmapでキーマップを確認
xmodmap -pke
(中略)
keycode 130 = Hangul NoSymbol Hangul
keycode 131 = Hangul_Hanja NoSymbol Hangul_Hanja
(中略)
keycode 130と131がHangul、Hangul_Hanjaになっています。
.Xmodmapの作成
~/.Xmodmapというファイルを作成し、下記の2行を追加します。
STEP2:~/.Xmodmapの作成
vi ~/.Xmodmap
keycode 130 = Hiragana NoSymbol Hiragana
keycode 131 = Eisu_toggle NoSymbol Eisu_toggle
Hangul
として認識しているかな(keycode 130)をHiraganaに割り当て、Hangul_Hanjaとして認識している英数(keycode 131)をEisu_toggleに割り当てる設定です。
X起動時に読み込む設定
.zshrc(bashの場合は.bashrc)にXの起動時に読み込むよう下記を追加します。$XDG_SESSION_TYPEがttyでない場合にxmodmapで~/.Xmodmapを読み込みます。
(もっと良い方法があればぜひ教えてくださいm(_ _)m)
STEP3:.zshrcにスクリプトを追加
vi ~/.zshrc
if [ $XDG_SESSION_TYPE != tty ]; then
xmodmap ~/.Xmodmap
fi
私の場合、sshでリモートからUbuntuにログインすることもあるので上記のようにしています。
変更されたキーマップの確認
再起動後、xmodmap -pkeでキーマップが変更されていることを確認します。
STEP4:xmodmap -pkeで変数されたキーマップを確認
xmodmap -pke
(中略)
keycode 130 = Hiragana NoSymbol Hiragana
keycode 131 = Eisu_toggle NoSymbol Eisu_toggle
(中略)
MacBook Air (13-inch, Mid 2012) のMozcによるキー設定
メニューの右上の「A」をクリックし「ツール」→「プロパティ」をクリックします。
Mozcのプロパティが表示されるのでキー設定の選択の「編集」をクリックします。

ヘッダーの入力キーをクリックすると名前でソートされますので、「Eisu」を探します。4項目あるのでそれぞれコマンド列をクリックして「IMEを無効化」を選択します。

続いて、「Hiragana」を探します。4項目あるのでそれぞれコマンド列をクリックして「IMEを有効化」を選択します。

これで最後に再起動します。
sudo shutdown -r now
起動後にはMac同様に英数、かなキーを使って日本語入力することができるようになります。
Parallels 18 for MacのUbuntuでキーマップの変更
次に、Parallels 18 for Mac上のUbuntu22.10に対して設定します。
Parallels 18 for MacにインストールしたUbuntu22.10では英数とかなキーは下記のように認識しています。
入力したーキー | xevでの認識 |
---|---|
英数 | 102 Muhenkan |
かな | 101 Hiragana_Katakana |


Parallels 18 for MacのUbuntuのMozcによるキー設定
英数とかなキーに割り当てられているMuhenkanとHiragana_KatakanaはMozcの設定でIMEを有効化/無効化の設定が可能なのでxmodmapでキーマップの変更せずに今回はそのままやります。
メニューの右上の「A」をクリックし「ツール」→「プロパティ」をクリックします。
Mozcのプロパティが表示されるのでキー設定の選択の「編集」をクリックします。

1つ目の設定変更:Parallels 18 for MacのUbuntu22.10
ヘッダーの入力キーをクリックすると名前でソートされますので、「Muhenkan」を探します。4項目あるのでそれぞれコマンド列をクリックして「IMEを無効化」を選択します。
2つ目の設定変更:Parallels 18 for MacのUbuntu22.10
続いて、「Hiragana_Katakana」を探します。4項目あるのでそれぞれコマンド列をクリックして「IMEを有効化」を選択します。
これで最後に再起動します。
sudo shutdown -r now
起動後にはMac同様に英数、かなキーを使って日本語入力することができるようになります。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の【Linux】Ubuntu22.10(Kinetic Kudu)でMac同様に英数、かなキーを使って日本語入力するはいかがでしたでしょうか。dpkg-reconfigure keyboard-configurationで設定後は必ず再起動することやxevを使ってかなと英数キーの名称やキーコードを確認して、Mozcで設定変更するやり方(Parallels for Macも)を紹介しました。みなさんのMacライフに少しでもお役に立てたら幸いです。
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