【初心者向け】vimチューターはvimの最高の教材

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こんにちは。ナミレリです。MacでもLinuxでもvimは必ず使うエディターですね。.zshrcを編集する、.vimrcを編集する、など避けては通れないエディターです。サーバへログインして設定ファイルを編集する場合でも、あらかじめインストールされているエディタであるvimを使うことになります。

vimは一般的なテキストエディタと比べ、操作方法や考え方も大きく異なるためとっつき難かったり学習コストが高い、などと言われることも多々あります。

確かにその通りではありますが、ある程度の操作方法を覚えてしまえば急激に便利で効率的な最高のエディタになります。「ある程度」というのがポイントです。

この「ある程度」の操作方法を習得する最善のおすすめな方法は、vimに搭載されているvimチューターを一通り実行することです。

今回はvim初心者に向けてvimチューターを紹介していきます。

この記事はこんな人にオススメ

  • vimの基礎を身につけたい
  • 最低限知っておくべきvimの操作を知りたい
  • 便利なvimの操作方法を知りたい
  • 何気なく使っているvimだけどちゃんと基礎を学びたい
  • ワンランク上を目指したい
この記事のMac環境
  • M2 MacBook Air 13.6 インチ
  • M1 Max MacBook Pro 14インチ
  • macOS Ventura 13.2.1
  • VIM – Vi IMproved 9.0

vimチューターとは?

vimがインストールされていれば標準で入っている質の高いチュートリアルです。vim初心者におすすめのチュートリアルです。ベテランの方も知らない便利な機能を見つけることもできると思います。

チュートリアルはレッスン1からレッスン7まであり、各レッスンは簡単な説明と実践で構成されています。また各章の最後に要約もあるので楽しく効率的に学ぶことができます。コマンドを実際に試しながら学ぶことができるのが初心者に嬉しいポイントです。

vimチューターのレッスン

vimチューターのレッスン内容は下の通りです。たくさんのレッスンがありますが、所要時間は30分程度と記載がありますが。じっくりやると全体で1時間から2時間程度の所要時間だと思います。

レッスン内容
1-1カーソルの移動
1-2VIMの起動と終了
1-3テキスト編集(削除)
1-4テキスト編集(挿入)
1-5テキスト編集(追加)
1-6ファイルの編集
要約レッスン1の要約
2-1削除コマンド
2-2その他の削除コマンド
2-3オペレータとモーション
2-4モーションにカウントを使用する
2-5より多くを削除するためにカウントを使用する
2-6行の操作
2-7やり直しコマンド
要約レッスン2の要約
3-1貼り付けコマンド
3-2置換えコマンド
3-3変更コマンド
3-4cを使用したその他の変更
要約レッスン3の要約
4-1位置とファイルの情報
4-2検索コマンド
4-3対応する括弧を検索
4-4間違いを変更する方法
要約レッスン4の要約
5-1外部コマンドを実行する方法
5-2その他のファイルへ書き込み
5-3選択した書き込み
5-4ファイルの取り込みと合併
要約レッスン5の要約
6-1オープンコマンド
6-2追加コマンド
6-3その他の置換え方法
6-4テキストのコピーとペースト
6-5オプションの設定
要約レッスン6の要約
7-1オンラインヘルプコマンド
7-2起動スクリプトの作成
7-3補完
要約レッスン7の要約
Version 1.7

vimチューターを始める

最新のmacOS Venturaであればvim 9.0がインストールされています。vimのバージョンを確認してみましょう。


vim --version
VIM - Vi IMproved 9.0 (2022 Jun 28, compiled Dec 16 2022 23:29:16)
macOS version - arm64
Included patches: 1-981
Compiled by root@apple.com
(省略)

それではvimチューターを起動します。

コマンドラインから起動する

コマンドラインからvimtutorで起動することができます。


vimtutor

vimtutor version 1.7
vimtutor version 1.7

vimでhelpを表示する

vimチューターの起動ではありませんが、vimを起動している状態で:h vimtutorvimtutorのヘルプを見ることができます(:h:helpの略です)。

また、:h vimtutor | onlyとするとウィンドウが分割されないのでおすすめです。

vimチューターのヘルプ
vimチューターのヘルプ

vimチューターをやって得た気づき

vimチューターをやって得た気づきや今まで知らなかったことを紹介します。

コマンドラインからvimtutorで起動することができます。


vimtutor

レッスン1のポイント

レッスン1は、カーソル移動、vimの起動と終了、xで文字削除、iAで文字追加といった基本的な内容です。

レッスン1のポイント

Aは行末に文字を追加することができる

vimチューターには出てこなかったですが、文字を追加する(インサートモードにする)代表的なコマンドを下にまとめます。

コマンド動作
iカーソルの前でインサートモード
I行頭に移動してインサートモード
aカーソルの後ろでインサートモード
A行末に移動してインサートモード
o改行してインサートモード
O前に改行してインサートモード

レッスン2のポイント

レッスン2は、文字や単語の削除と、重要なオペレータとモーションの説明と実践です。

オペレーターであるdに続いてモーションであるwe$を入力するとどうなるのか実践で知ることができます。

また、uUのundo(やり直しコマンド)も説明されていて便利です。

レッスン2のポイント

コマンド形式:コマンド形式は、オペレータ [数字] モーションのコンボ

オペレータ数字モーション説明
d$d$:カーソルから行末までを削除
d2wd2w:カーソルから2つの単語までを削除
d3ed3e:カーソルから3つの単語の末尾までを削除
2dd2dd:2行削除

やり直しコマンド:Uは行全体の変更をUndoできる

やり直しコマンド説明
u1つ前の動作を取り消す
U行全体の変更を取り消す
Ctrl + r取り消しを取り消す

オペレータはd以外にもたくさんあります。良く使うオペレーターを紹介します。

良く使うオペレータ

オペレータ説明
d削除
c変更
yヤンク
>右にインデント
<左にインデント

レッスン2の重要な点は、オペレータ [数字] モーションのコンボ形式をしっかり覚えることだと思います。

レッスン3のポイント

レッスン3は、貼り付けp、置換えr、変更cの説明と実践です。

特に変更のオペレータコマンドのcの使いどころを理解することができます。

cコマンドの後はインサートモードになります(変更することが前提なのでインサートモードになってくれるのは合理的ですね)

レッスン3のポイント
コマンド説明
pカーソルの後ろにペースト
行の場合はカーソルの下の行にペースト
rカーソルのある文字を置換える
cモーションで指定される部分を変更する

変更コマンド形式:変更コマンド形式は、c [数字] モーションのコンボ

オペレータ数字モーション説明
cece:単語の終わりまで変更
c2ec2e:2つの単語の終わりまでを変更
c$c$:行の残りを変更

レッスン4のポイント

レッスン4は、行にジャンプする方法、ジャンプした後に元の場所に戻る方法、検索と検索した後に元の場所に戻る方法など、より実践的な内容になっています。

対応する括弧を検索する%も便利なのと、%s/old/new/gcでファイル全体の文字置換えもとても便利です。

ジャンプコマンド

コマンド説明
Ctrl + g最下部にカーソルの位置を表示する
Gファイルの最下行に移動する
数字 G指定した行番号へ移動する
ggファイルの先頭行に移動する

検索コマンド

コマンド説明
//の後に語句を入力すると、前方に語句を検索
??の後に語句を入力すると、後方に語句を検索
n検索後にnを押すと、次を検索
N検索後にNを押すと、逆方向に検索

置換えコマンド

コマンド説明
:s/old/new現在行の最初の old を new に置換する
:s/old/new/g現在行の全ての old を new に置換する
:#,#s/old/new/g行番号を指定し語句を置換する(#は行番号)
:%s/old/new/gファイルの中の全ての検索語句を置換する
:%s/old/new/gccを加えると置換の度に確認を求める

レッスン5のポイント

レッスン5は、:!による外部コマンドを実行する方法やvによるビジュアルモードの説明がありました。ビジュアルモードとは範囲を選択するモードです。その選択した範囲に対して何かを行う場合に、あらかじめビジュアルモードで範囲選択することができます。

レッスン5のポイント

:!command によって 外部コマンドを実行

例えば、:!ls:!ls -l :!cat .zshrcなどができます。

vでビジュアルモードに移行

ビジュアルモードとは範囲を選択するモードです。その選択した範囲に対して何かを行う場合に、あらかじめビジュアルモードで範囲選択をしておく。

レッスン6のポイント

レッスン6の主な内容は、ypなどのコピペやRによる置換えモード、検索時の:set ic:set is:set hlsの説明です。

レッスン6のポイント
コマンド短縮説明
:set ignorecase:set ic検索時に大文字小文字の区別しない
:set incsearch:set is検索フレーズに部分マッチしている部分を表示する
:set hlsearch:set hlsマッチするすべてを強調表示する

setしたオプションを無効にするには:set noicなどのようにnoを付ける

レッスン7のポイント

レッスン7は、主にヘルプの表示する方法について説明されています。ヘルプは:helpで表示することができますが、Ctrl + dでコマンドを補完するとhelpを表示しやすくなります。

レッスン7のポイント

.vimrcのカスタマイズをするなら:help vimrc-introを読むべし

ヘルプの日本語化

vimのヘルプを日本語化する方法を紹介します。

今回は、vimのプラグインマネージャであるvim-plugを使って日本語マニュアルのvimdoc-jaをインストールしていきます。

vim-plugのインストール

以下のコマンドでvim-plugをインストールします。下のコマンドは~/.vim/autload/plug.vimをダウンロードします。


curl -fLo ~/.vim/autoload/plug.vim --create-dirs \
    https://raw.githubusercontent.com/junegunn/vim-plug/master/plug.vim

vimdoc-jaのインストール

~/.vimrcに以下のように記載します。

vim-plugは下のように、~/.vimrccall plug#begin()call plug#end()の間に読み込むプラグインをPlug '○○'のように記述します。


call plug#begin()
Plug 'vim-jp/vimdoc-ja'
call plug#end()

次に、vimを起動し:PlugInstallと入力します。自動でインストールしてくれます。

:helpで日本語化されたことを確認してください。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の【初心者向け】vimチューターはvimの最高の教材はいかがでしたでしょうか。

vimは一般的なテキストエディタと比べ、操作方法や考え方も大きく異なるためとっつき難かったり学習コストが高い、などと言われ確かにその通りではありますが、ある程度の操作方法を覚えてしまえば急激に便利で効率的な最高のエディタになります。

この「ある程度」の操作方法を習得する最善のおすすめな方法は、今回紹介したvimチューターを一通り実行して慣れることだと思います。

こちらもおすすめの無料のコンテンツです。

Learn Vim (the Smart Way):https://github.com/iggredible/Learn-Vim

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